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「疲れているのに、なぜか寝つけない」「顔はほてるのに手足は冷たい」「若いはずなのに、なんとなく体が乾いている感じがする」——そんな感覚に心当たりはありませんか。東洋医学では、このような状態を「陰虚(いんきょ)」と呼びます。このページでは、陰虚とはどういう状態か、なぜ現代人・特に若い世代にも増えているのか、そして日常でできるケアについてご紹介します。
東洋医学では、体を動かし温める力を「陽」、体を潤し・冷まし・落ち着かせる力を「陰」と呼びます。陽が体の”エンジン”だとすれば、陰は”冷却水・潤滑油”にあたる存在です。陰虚は、この潤いや冷却の働きが不足している状態を指します。
潤いが減ると、エンジンにあたる陽の働きが相対的に強く感じられるようになり、体の中に余分な熱がこもりやすくなります。代表的なサインは、ほてり(特に手のひら・足の裏・顔)、寝汗、喉や口の渇き、肌や髪の乾燥、寝つきの悪さや眠りの浅さ、目の乾き、便が硬くなりやすいといったものです。イライラしたり、そわそわと落ち着かない感じが出ることもあります。冷えが目立つ「陽虚」とは対照的に、陰虚は「乾き」と「こもった熱」がキーワードです。
陰虚は年配の方だけの話ではありません。むしろ現代の生活習慣には、若い世代の陰を消耗させやすい要素が多くあります。
本来、陰は夜の休息中に静かに養われます。ところが夜更かしとスマートフォンの習慣により、遅くまで画面を見て脳が興奮した状態が続くと、この”陰を養う時間”が奪われ、陰を消耗しやすくなります。また、仕事や人間関係のストレスで交感神経が優位な状態が続くことも、いわば”エンジンをふかしっぱなし”の状態に近く、陰を使い減らす要因になります。
見落とされがちなのが、水分と塩分のバランスです。喉が渇いてからのがぶ飲みは、体にじわっと潤いを届けるというより一時的に通過するだけになりがちです。かといって水分や塩分を極端に控えすぎるのも、体液のバランスを崩し、かえって乾きやすい体を作ってしまいます。つまり陰虚は、「歳を取ったから」だけでなく、夜更かし・慢性的な緊張・水分と塩分の偏った摂り方といった、現代的な生活習慣によって、若いうちから静かに進行することがあるのです。
陰虚のケアで大切なのは「じわっと潤す」という発想です。
喉が渇いてから一気にがぶ飲みするのではなく、こまめに、少しずつ、体に染み込ませるように飲むことを意識してみてください。冷たい飲み物の一気飲みは胃腸に負担をかけ、うまく潤いとして活かされにくくなります。常温か温かい飲み物を、時間をかけて摂るのがおすすめです。
極端に避ける必要はありませんが、濃い味付けや加工食品に偏った塩分の摂り方は、体の水分バランスを乱しやすくなります。だしや素材の味を活かした、ほどよい塩分を意識してみてください。
夜更かしを控え、特に寝る前のスマートフォンの使用時間を減らすことは、陰を養ううえでとても効果的です。「体を休ませる」だけでなく「興奮を鎮める」時間を意識的に作ることがポイントです。
東洋医学では、豆腐・白きくらげ・山芋・ゆり根・梨といった、みずみずしく体を潤す食材が陰を補うとされています。辛いもの・カフェイン・アルコールの摂りすぎは、逆に陰を消耗させやすいので、量を意識してみてください。
陰虚は生活習慣の見直しだけでなく、耳つぼ(MSEA・松浦式耳鍼&耳つぼ療法)のようなやさしい刺激によるケアと組み合わせることもできます。「なんとなく寝つきが悪い」「ほてりが気になる」という段階から、気軽にご相談いただけます。
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花田 光由(はなだ みつよし)
はりきゅうサロン Flare オーナー
あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師
2020年3月 桐朋高等学校 卒業
2020年4月 湘南医療福祉専門学校 入学
在学中より国家試験対策サイト「東洋の委員長」を立ち上げ、鍼灸学生向けの学習支援・情報発信を開始。
2023年3月 湘南医療福祉専門学校 卒業
2023年4月 同校に入職し、国家試験対策指導を担当。
2023年7月 合同会社 東洋の委員長 設立
2024年4月 教育学系大学院へ進学。経絡経穴の学習困難をテーマに研究に取り組む。
2026年2月 はりきゅうサロン Flare(フレア)開業
2026年7月 一般社団法人大田区鍼灸あんまマッサージ指圧師会 外部顧問 就任
現在は臨床に加え、鍼灸・医療分野を中心とした情報発信や配信活動、Webマーケティングにも携わる。
JEAS、BFA JAPAN、ダーマローラージャパンなどのWebマーケティングを担当。
専門分野は、はりきゅうのICT教育・Webマーケティング。
これまでの研究テーマは、経絡経穴の学習困難。
教育・臨床・情報発信を横断し、鍼灸をより身近に届ける活動に取り組んでいる。